中国研修

中国の広州中医薬大学附属病院の研修団の団長として行ってきました。
今回の研修の中では、耳鳴りの臨床研修が良かったです。
中国各地から、どの病院でもお手上げ状態の患者さんが多数訪れていました。
数十年の耳鳴りも含めて70%の効果があるとの事でした。

治則 宿燥

宿燥の場合は、身体が乾燥するという事で津液不足や陰虚と混同しやすくなります。
しかし、両者には虚実の違いがあります。
宿燥の場合は、津液を補う事や陰を補うだけでは駄目で、必ず去邪する必要があります。
例えば桑杏湯などです。
辛味で潤すという概念も、津液不足に対してよりも宿燥に対して有効と思われます。
勿論、燥邪が長く去らない理由として津液不足や陰虚が関係する事も多くあります。
この場合は養陰清肺湯などが用いられます。
宿燥がある時に、滋陰のものだけを用いると邪気を閉じ込めてしまい、邪気がなかなか去らないという現象がおこります。
麦門冬湯に半夏が含まれているのは、これを避ける為と考えられます。
シーグレン症候群などの場合、ただ潤すものや陰を補うものだけを使っても思うような効果が出ません。
やはり宿邪を考えて去邪する必要があると考えられます。

治則 宿湿

内湿の場合と宿湿の場合での治療の差はあまり多くはありません。
ただ、宿湿の場合は三焦辨証を用いる事が出来ます。
また、外湿の場合と違い、湿邪が長く居座る理由として正気の虚があります。
特に、脾と腎の虚が関係している事が多いので、健脾薬や補腎薬との併用が必要になる場合があります。
また、肺気を開く事により、宿湿を出すという治療方法もあります。
湿については、非常に範囲が広く、それだけで1冊の本になっています。
宿湿の場合、非常によく用いられる処方が藿香正気散です。

治則 宿暑

暑は、湿と熱があわさったものですから、宿暑と湿熱は区別がつきにくくなります。
たとえば、細菌やウイルスの感染が原因で湿熱が出来た場合は、内因性の湿熱とは少し区別して宿暑と考えます。
慢性的な前立腺炎で、雑菌や白血球などが見える場合などは宿暑の例です。
それ以外にも、慢性的な扁桃腺炎や腎炎などもあります。
クラミジアが原因の卵管炎、また一部の抗精子抗体なも宿暑と考えます。
子宮腺筋症の一部にもみられます。
その他、ガンジタ、水虫なども宿暑と考えています。
アトピーや湿疹にもよく見られます。
免疫性の不妊症も、免疫のバランスなので、湿熱と考えるより宿暑と考える方が良い場合もあります。
このように考えると、宿暑の範囲は極めて広いと考えられます。

湿熱は清熱解毒ですが、宿暑の場合は三焦辨証を用いる事もあります。
ただ残念な事に、三焦辨証に対しての方剤は日本では完備されていません。
ですので、銀翹解毒散と竜胆瀉肝湯を併用するなどの方法を考えます。