治則 宿寒

宿寒の治則は、もし寒邪が経絡に服している場合は温経散寒になります。
たとえば桂枝加朮附湯などを使います。
寒邪が下腹部に宿している場合、寒凝血淤という症状になる事が多くあります。
寒邪が宿する事で、下腹部に淤血が出来てしまうためです。
この場合は当帰四逆加呉茱萸生姜湯がよく用いられます。
同じ冷えでも腎陽虚の場合と使う処方が異なってくる事が注意点です。
また腎陽虚の主な症状は冷えであるのに対して宿寒の場合は痛みを伴う事が殆どというのが区別点です。
ただし、寒邪が長く去らない理由の一つには腎陽虚があります。
ですから、去寒だけに注意をむけるのでなく、補腎陽も考えて治療していく事が大切です。

原因不明の不妊症で、中医学的には宿寒が原因の事はよくあります。
冷えると血流が悪くなり、骨盤内に瘀血がたまります。
この状態が寒凝血瘀です。
一番の特徴は生理痛で、温めると楽になります。
生理の色は黒っぽくなり、塊が沢山でます。
同じような症状で、血熱や瘀血も考えられますが、舌や脈などで正しく判断する事が大切です。

宿寒があると、骨盤内が冷えて、子宮や卵管の動きが悪くなる事も考えれます。

治則 宿風

今まで宿邪の性質についてお話ししましたので、次にそれぞれの宿邪の治則について簡単にお話しします。

まず宿風の治則。
宿風の治則は去風です。
よく使われるものが桂枝湯、香蘇散などです。
また風熱の場合は銀翹散、麻杏甘石湯なども使われます。
外風の場合との違いは、外風は精気の虚がまだあまり進んでいない場合が多く、少し強めの去風薬を使い一気に外邪を追い出します。
しかし宿風の場合は慢性化しています。
宿風が長く去らない原因の一つとして正気の虚があります。
ですから、正気特に衛気の強化が必要となります。
代表方剤が衛益顆粒や桂枝加黄耆湯などです。
去邪(邪気をとりのぞく事)と扶正(正気を助ける事)のバランスが伏邪の治療ではとても大切です。
また、宿風は長時間体内に居座り続けるため、化熱する場合が多いですが、寒邪とむすびついて宿風寒となる事もよくあります。