治則 宿風

今まで宿邪の性質についてお話ししましたので、次にそれぞれの宿邪の治則について簡単にお話しします。

まず宿風の治則。
宿風の治則は去風です。
よく使われるものが桂枝湯、香蘇散などです。
また風熱の場合は銀翹散、麻杏甘石湯なども使われます。
外風の場合との違いは、外風は精気の虚がまだあまり進んでいない場合が多く、少し強めの去風薬を使い一気に外邪を追い出します。
しかし宿風の場合は慢性化しています。
宿風が長く去らない原因の一つとして正気の虚があります。
ですから、正気特に衛気の強化が必要となります。
代表方剤が衛益顆粒や桂枝加黄耆湯などです。
去邪(邪気をとりのぞく事)と扶正(正気を助ける事)のバランスが伏邪の治療ではとても大切です。
また、宿風は長時間体内に居座り続けるため、化熱する場合が多いですが、寒邪とむすびついて宿風寒となる事もよくあります。

中医の診察室

中国には漢方専門の総合病院があります。
何科、何科と別れていて、まるで西洋医学の病院のようです。
ですが、雰囲気は全然違います。
診察室のドアは開けっ放し。
診察している患者さんのすぐ後ろに次の患者さんたちが順番に列を作って待っています。
婦人科などデリケートな診療でも実にオープンで、待っている患者さんは診察の様子を観察しています。
お医者さんもそれを意識して、後ろに並んでいる患者さんの方を意識して話す事もよくあります。
特に治療がうまく言っている時など、ドヤ顔してアピールしています。
通路も患者さんでうめつくされて、賑やかな事このうえないです。
患者さんもお医者さんとタメ口で色々と注文つけたりと、面白いです。
とにかくエネルギッシュで、パワーにあふれています。
私も研修から帰ってしばらくは、中国パワーをもらって元気になります。
ですが、またエネルギー切れになるので、定期的な中国研修は必須です。

虎骨

虎骨というのは、その名の通り、虎の骨です。
特に前足の骨は、太いので、とても珍重されていました。
勿論、今はワシントン条約などもあり、虎骨は使われていません。
以前は、中国の街角で見かける事がありましたが、今はありません。
仮に見つけても日本への持ち込みは一切出来ませんし本物ではないでしょう。
イスクラ産業の中成薬には、「舒筋丸」「活絡丹」「海馬補腎丸」に虎骨が含まれていました。
舒筋丸、活絡丹は、発売中止になりました。
海馬補腎丸は、虎骨の入っていないものになりました。
ただ、ありがたい虎の骨ですが、どこまでの鎮痛効果があるかはやや疑問です。
どうしても貴重な物をありがたがる傾向があり、困ったものです。

体と用

中医学では体と用という用語があります。
体は、目に見えるもの、つまりその実体です。
用はその働きです。
そして体と用は現代医学的には噛み合いません。
例えば
肝 解毒、代謝意外に、自律神経、目なども含みます。
心 血を流す意外にも、脳の働き
脾 脾臓の働きより、むしろ胃腸の消化吸収
肺 呼吸意外に、免疫
腎 尿を作る意外、全身のホルモン、骨、また脳

一つの臓の「用」は、色々な臓腑の「体」の上に成り立っています。