中国研修

中国の広州中医薬大学附属病院の研修団の団長として行ってきました。
今回の研修の中では、耳鳴りの臨床研修が良かったです。
中国各地から、どの病院でもお手上げ状態の患者さんが多数訪れていました。
数十年の耳鳴りも含めて70%の効果があるとの事でした。

治則 宿燥

宿燥の場合は、身体が乾燥するという事で津液不足や陰虚と混同しやすくなります。
しかし、両者には虚実の違いがあります。
宿燥の場合は、津液を補う事や陰を補うだけでは駄目で、必ず去邪する必要があります。
例えば桑杏湯などです。
辛味で潤すという概念も、津液不足に対してよりも宿燥に対して有効と思われます。
勿論、燥邪が長く去らない理由として津液不足や陰虚が関係する事も多くあります。
この場合は養陰清肺湯などが用いられます。
宿燥がある時に、滋陰のものだけを用いると邪気を閉じ込めてしまい、邪気がなかなか去らないという現象がおこります。
麦門冬湯に半夏が含まれているのは、これを避ける為と考えられます。
シーグレン症候群などの場合、ただ潤すものや陰を補うものだけを使っても思うような効果が出ません。
やはり宿邪を考えて去邪する必要があると考えられます。

治則 宿湿

内湿の場合と宿湿の場合での治療の差はあまり多くはありません。
ただ、宿湿の場合は三焦辨証を用いる事が出来ます。
また、外湿の場合と違い、湿邪が長く居座る理由として正気の虚があります。
特に、脾と腎の虚が関係している事が多いので、健脾薬や補腎薬との併用が必要になる場合があります。
また、肺気を開く事により、宿湿を出すという治療方法もあります。
湿については、非常に範囲が広く、それだけで1冊の本になっています。
宿湿の場合、非常によく用いられる処方が藿香正気散です。

治則 宿暑

暑は、湿と熱があわさったものですから、宿暑と湿熱は区別がつきにくくなります。
たとえば、細菌やウイルスの感染が原因で湿熱が出来た場合は、内因性の湿熱とは少し区別して宿暑と考えます。
慢性的な前立腺炎で、雑菌や白血球などが見える場合などは宿暑の例です。
それ以外にも、慢性的な扁桃腺炎や腎炎などもあります。
クラミジアが原因の卵管炎、また一部の抗精子抗体なも宿暑と考えます。
子宮腺筋症の一部にもみられます。
その他、ガンジタ、水虫なども宿暑と考えています。
アトピーや湿疹にもよく見られます。
免疫性の不妊症も、免疫のバランスなので、湿熱と考えるより宿暑と考える方が良い場合もあります。
このように考えると、宿暑の範囲は極めて広いと考えられます。

湿熱は清熱解毒ですが、宿暑の場合は三焦辨証を用いる事もあります。
ただ残念な事に、三焦辨証に対しての方剤は日本では完備されていません。
ですので、銀翹解毒散と竜胆瀉肝湯を併用するなどの方法を考えます。

治則 宿寒

宿寒の治則は、もし寒邪が経絡に服している場合は温経散寒になります。
たとえば桂枝加朮附湯などを使います。
寒邪が下腹部に宿している場合、寒凝血淤という症状になる事が多くあります。
寒邪が宿する事で、下腹部に淤血が出来てしまうためです。
この場合は当帰四逆加呉茱萸生姜湯がよく用いられます。
同じ冷えでも腎陽虚の場合と使う処方が異なってくる事が注意点です。
また腎陽虚の主な症状は冷えであるのに対して宿寒の場合は痛みを伴う事が殆どというのが区別点です。
ただし、寒邪が長く去らない理由の一つには腎陽虚があります。
ですから、去寒だけに注意をむけるのでなく、補腎陽も考えて治療していく事が大切です。

原因不明の不妊症で、中医学的には宿寒が原因の事はよくあります。
冷えると血流が悪くなり、骨盤内に瘀血がたまります。
この状態が寒凝血瘀です。
一番の特徴は生理痛で、温めると楽になります。
生理の色は黒っぽくなり、塊が沢山でます。
同じような症状で、血熱や瘀血も考えられますが、舌や脈などで正しく判断する事が大切です。

宿寒があると、骨盤内が冷えて、子宮や卵管の動きが悪くなる事も考えれます。

宿邪 宿火

宿火の代表はヘルペスです。
ヘルペスはウイルスが体内の一部に居座って去らない状態です。
このような場合は宿火を去らないと何回も再発さします。
ただし、宿火が動く背景には正気の虚がありますから、扶正去邪が大切です。
肝炎のウイルスは宿湿の場合と宿火の場合があります。
というより宿湿と宿火が入り混じったものです。
ただ、どちらの邪気が強いかにより、治則は異なります。

また、色々な宿邪は最終的には化火して宿火になる可能性があります。
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、歯槽膿漏、痔などは宿火の代表です。
中医には「火鬱は発之」という治則があり、清熱解毒と同時に発散する方法がよく用いられます。
例えば痔に麻杏甘石湯、アトピーに銀翹解毒散などを用いる場合などです。

宿邪 宿湿

外から入った湿邪がなかなか去らない状態が宿湿です。
脾虚などで体内で出来た湿は宿湿には入れません。
日本は湿度が高い国ですから宿湿は多く見られます。
宿湿は、外邪をうけてすぐに発症して、そのまま治らず湿邪が居座る場合と、外邪をうけてもすぐに発症しない場合があります。
前者の代表はリウマチとか腎炎などです。
後者の場合は細菌やウイルスによるものが多く、代表的なものはピロリとか肝炎です。
湿は風、寒、火と結びつきやすく色々な症状に変化します。
舌の苔が厚くなり、口がまずい、身体がだるいなどの症状をひきおこします。
この時、内湿との区別が難しくなりますが、内湿と宿湿では治則に大きな違いは無いので、明確に区別する必要はありませんが違う部分もあります。
内湿の場合は主に臓腑辨証を使って治療します。
伏湿の場合は温病の治法、特に三焦辨証が役に立ちます。

宿邪 宿燥

宿燥という概念は確かにあります。
しかし日本は基本的にあまり乾燥はひどくありません。
ですので、日本ではそもそも燥邪が体内に侵入する機会もあまり多くはありません。
このため宿燥もそう多くはありません。
処方では「麦門冬湯」や「百潤露」がそれにあたります。
宿燥の場合は多少風邪が合わさっている事が多いので潤すものに少しだけ発散するものを加えます。
辛味で潤すの概念になります。
たとえば少量の薄荷や菊花などが良いでしょう。
症状としては口の渇き、目のかわき、ながびく空咳などがあります。

中国の北京などでは冬の乾燥がものすごく、皆さん冬になると咳をしています。
この咳が春になっても治らない場合、宿燥と考えます。

宿邪 宿暑

暑邪がなかなか去らないで、体内にいすわった状態です。
なつばてなどはその代表的な例です。
その他には湿熱型の腎炎や慢性の前立腺炎などにも宿暑の存在があると思われます。
宿暑と湿熱は区別が付きにくいものです。
長年の胃腸疾患で、よく下痢をするような場合、清熱利湿の漢方を使ってもあまり効果が出ない事があります。
このような場合、かっ香正気散に少し清熱薬をあわせると効果が出る事が多いものです。

宿邪 宿寒

宿寒は、寒邪をうけて、それが体内にいすわっている状態です。
病気が長引き、痛み、ひきつれをともなう事が多くあります。
暖めると楽になるのが特徴です。
冷えといっても、陽虚との区別が大切で、虚実の違いがあります。
宿寒は、身体を冷やしたなどのきっかけがあったりします。
症状も陽虚によるものよりは激しくなります。
脈は沈微になる事もあり、また緊や弦になる事もあります。

よく見られる症状は、リウマチ、しもやけ、生理痛などです。

慢性的な肩凝りは、桂枝加葛根湯を使う事がありますが、葛根湯を使う事もあります。
葛根湯を慢性的な肩凝りに応用する場合は伏寒がある場合と考えられます。
また、蓄膿症に葛根湯加川きゅう辛夷が用いられますが、これは伏寒が化火した状態と言えます。
この場合は炎症があっても清熱しないで、辛味で発散した方が良い事が多いです。
勿論、化火が激しい場合は清熱剤も必要になります。

宿邪 宿風

宿風は、風邪(ふうじゃ)が体外から進入して、そのまま居座っている状態です。

代表的なものが花粉症です。
花粉症は、体内に伏風がひそんでいる状態で、花粉にふれると伏風が動いて、クシャミなどのアレルギー症状をおこします。
花粉の季節が過ぎると、症状はおさまりますが、伏風がとれない限り、毎年発症してしまいます。
宿風が居座り続けるのは、衛気の不足もありますが、改善には去風薬も必要になります。

多くのアレルギーには伏風が潜んでいると考えます。
花粉症以外で代表的なものが、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、腎炎などです。
リウマチや膠原病の場合は、単純な風だけでなく、風、寒、湿の邪気が入り交じって体内に進入して居座り続け、化火したものと考えます。

この他、伏風は自律神経失調症にもみられる事があり、例えば桂枝湯などで栄衛を調和します。

中国漢方と日本漢方の違い

中医学と漢方の違いは何でしょうか?
漢方薬というのは、「中国からやって来た薬」という意味なので、
中国で漢方薬と言っても意味が通じません。
「漢方薬」の事を中国では「中薬」と言います。
「漢方医学」は「中医学」と言います。

日本式の漢方は、この病気にはこの薬(風邪にか葛根湯、婦人科疾患なら當歸芍藥散)といった簡単な使われかたをしている事が多いようです。
中医学では「弁証論治」と言って、その人の体質や状態を詳しく分析して、状態を把握し、それにあわせた処方を考えていくという方法になります。
ですから中医学を習得するのは簡単ではありません。
中医学専門の大学があり、付属病院があります。
日本にいて中医学を学ぶのはとても大変ですが、中国の中医師に負けないように毎日頑張って勉強しています。

外邪 暑邪

暑邪は、主には気温が高い場合の邪気ですが、これに湿があわさる事が多い邪気です。
気温が高くでも湿気が無い場合は邪気になりにくいからです。
暑邪は夏の邪気です。
身体がだるく、重くなります。
また胃腸に入りやすく、下痢を起こす事が多いものです。
暑邪におかされると、舌の苔は白く厚くなります。
もっとひどくなると苔は黄色くなります。
暑邪は、湿の程度を考えて治療する事が大切です。
湿が多い時は先に湿を取り除き湿と熱を分離します。
湿が少ない場合は清熱剤を使っていきます。

外邪 寒邪

寒邪は2種類あります。
一つは、温度が低い邪気、つまり冷たい水、空気、氷、雪などです。
これらに長時間ふれた場合、寒邪をうける事になります。
もう一つは細菌やウイルスです。
これらの邪気が体内に侵入しておこるものが、広義の傷寒です。
広義の傷寒は、また色々な種類があります。
強く寒気を起こすものを狭義の傷寒と言います。
寒邪が体内に侵入ても、すぐに発病しないで、季節が変化して発病するものを温病と言います。
この場合は寒気を伴わないか、あってもごく僅かです。
この温病も広義の傷寒の一種です。

外邪 風邪

外邪は身体の外部から侵入する邪気ですが、今日はその中で風邪についてお話しします。
風邪は「ふうじゃ」と読んで下さい。「かぜ」と紛らわしいですね。
「かぜ」も「ふうじゃ」の一種ですから、同じ漢字が使われています。

風邪は風という邪気です。
風の性質はよく動く、変化する事です。
たとえば、痛い場所、痒い場所が移動します。
また、クシャミ、咳などの動作をともなう症状をおこします。

風という邪気はあまり強い邪気ではありません。
ですので、よほど虚が進んでいない限り、風単独では病気がおこりません。
風がやっかいなのは他の邪気と結びつきやすい事です。
例えば寒邪とむすびつき風寒という邪気になります。
また熱と結びついて風熱となります。
これらの邪気は非常に強い邪気となります。

邪実

邪実とは、邪気が体に存在する状態です。
邪実は次の3つがあります。
 
外邪  身体の外から体内に侵入する邪気。 風寒暑湿燥火の6つの邪気があります。
伏邪  外邪が長く居座っている状態
内邪  体内で生成させる邪気。 六鬱とも言います。 気湿痰血食火の6種類あります。
 
伏邪の概念は現代中医学ではあまり詳しくありません。
しかし、慢性の病気の弁証論治には非常に大切な考え方です。
例えばリウマチなどは風寒湿の3つの邪気が入り交じり、体内にいすわる状態で、時に化火します。
花粉症は、花粉がなくなっても、体内に伏邪として邪気がのこり、次の年にまた花粉にふれると伏邪が動き出すと考えます。
ですから、花粉症が発症していない時期に伏邪をとりのぞく事が大切です。
現代医学での抗体なども伏邪の一種と考えて良いでしょう。

虚と実

漢方でよく「虚」とか「実」という言葉を聞くと思います。
あるいは虚証とか実証と言う場合もあります。
この虚実は、日本漢方と中医学では意味が異なります。
日本式の漢方は虚は体力がない、疲れやすい、やせいてる、血圧が低いなど弱々しい体質を言います。
これを虚証という言い方をする事が多いです。
また実は、体力があり、がっちりしているか太り気味、血圧は時に高めなどの体質をいいます。
実を実証、または実証体質などと言います。
これにたいして、中医学では、実は「邪実」を意味し、虚は「正虚」を意味します。
邪実とは体内に邪気が存在している状態です。
正虚とは、正気の不足を意味します。
邪気と正気については、次回以降、詳しく説明します。

中医学の定量化

中医学の非常に難しい問題として、定量化があります。
例えば肝臓が悪い場合、現代医学であれば肝機能の検査でどのくらい悪いのか、また治療によってどのくらい回復しているかなど数値で解ります。
これに対して、中医学は顔色であるとか、舌の色であるとか、脈の状態などみな数値では表せません。
勿論、数値で表せる方がなにかと便利な場合が多いです。
そこてせ顔色や舌の色を数値化しようとする方法もあります。
しかし、絶対的な舌の色はあまり意味がありません。
顔色と比較してとか、体格と比較してとか、脈の状態、病状などと比較してどうかという事が大切です。
例えば顔色が青白く、体格はやせていて、脈が弱い場合、舌の色は当然淡色になるはずです。
これがもし正常の人と同じなら、やや赤味があると判断する必要があります。
また顔色は顔の部分によっても違います。数値化するよりはイメージとして捕らえる方が解りやすいものです。
中医学はこのように数値よりも直感的なものを非常に重視しています。
ですので、どうしても治療する人の経験で診断にバラツキが出てしまいます。
それが中医学の長所でもあり欠点でもあります。

寒凝

中医学の用語で、「寒凝 かんぎょう」という物があります。
ちょうど今の季節にぴったりの用語だと思います。
寒凝は、身体の外から寒邪が進入して、血流を阻害し、瘀血を生じている状態です。
イメージ的には血液が寒くて凍っている状態と思って下さい。
勿論、本当に凍ってしまったら大変ですけども。
この場合、まず温める呉茱萸とか乾姜などを使い、氷を溶かしていく必要があります。
また、雪山で遭難した場合などを除いて、通常は寒凝がおこるのは体内の陽気が足りない為です。
ですから、陽気、特に腎陽を補うものも考えます。
代表的な処方が「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」です。
これに海馬補腎丸や東洋八味地黄丸など腎陽を補う物を併用していく事が多いです。
瘀血を考えて、冠元顆粒を併用する事もあります。

痰と温胆湯

痰とは、簡単に言えば、汚れた脂とか繊維のようなものです。
これには、狭義の痰と広義の痰があります。
狭義の痰は、目に見える痰で、例えば気管支からはき出される痰、ガングリオン、骨刺、結節、筋腫、皮様性嚢腫などです。
ガンなども痰と瘀血が混ざったものと考えます。
これに対して広義の痰は、「存在ははっきりしないけども、化痰薬を使う事で改善する見えない痰」という定義です。
例えば、てんかん、統合失調症、不眠、耳鳴り、高脂血症などです。
特に、広義の痰は身体の至る所に存在する可能性があります。
ですから、「怪病従痰論治」という言葉もあるくらいです。
血液の汚れの瘀血にくらべて、津液の汚れの痰は、中医学でも理解しにくい部分です。

心筋梗塞と弁証

「中医雑誌」に面白い記事がありました。
造影剤で冠状動脈の狭窄がみられた405人の体質を判断しています。
その中で、
 瘀血があった人 66.4%
 痰濁があった人 43.7%
 気虚があった人 34.8%
 陰虚があった人 15.1%
 気滞があった人  8.6%
 寒凝があった人  7.4%
 陽虚があった人  7.2%
という結果でした。
兼証がありますから合計は100%にはなりません。

この結果を見ますと、瘀血と痰濁はまあ、予想通り。意外に多いのが気虚。
そして意外に少ないのが陽虚と寒凝でした。
そうすると「冠元顆粒」「星火温胆湯」「麦味参顆粒」が心筋梗塞予防の3点セット?
実際の臨床はもっと複雑ですから、そう単純には行かないでしょうね。

 

六鬱

中医学で鬱とは流れが悪い状態を言います。
鬱という漢字を10回書けと言われたら鬱になりますね。
この漢字の下の部分はお米を発酵させてお酒を作っている様子です。
それに蓋をして2つの木と缶でおもりをして香りが逃げないようにしています。
つまり香りを閉じ込めている様子です。
閉じこもって流れが悪い状態です。

中医学では6種類の鬱があります。
気の流れが悪い気鬱
血の流れが悪い血鬱
脂や粘っこいものの流れが悪い痰鬱
水の流れが悪い湿鬱
食べたものが消化しない食鬱
そしてそれらが長く続くと熱がこもって火鬱となります。
火鬱は冷やすと余計に流れが悪くなるので、発散する事が大切です。

胃と脾

食べたものを消化する場所というと、まず胃を思い浮かべますが、中医学では食べたものを消化するのは脾という場所です。
胃は、食べたものを入れる器で、消化は脾でおこなわれます。
食べたものは、まず胃に格納させ、そこから脾に運ばれて、消化(運化)がおこなわれます。
ですので、中医学では胃と脾を明確に分けています。
脾の気は上がり、胃の気は下がる性質があります。
脾の気が上がらなくなると、栄養が肺に運ばれなくなります。また、栄養が下に漏れて下痢になります。
胃の気が下がらなくなると、胃がつまった感じになり、吐き気が出、時に嘔吐します。
脾は湿を嫌い、胃は燥を嫌います。湿気の多い状態ですと脾の消化の力が無くなります。また胃が乾くと胃液が出なくなります。
ですので、胃腸の病気の場合は、問題が脾にあるのか胃にあるのかを考える必要があります。
太りやすい体質の人は、胃強脾弱の場合がよくあります。受け皿としての胃は丈夫なので、どんどんと胃に食品を溜め込みます。
しかし、脾が食べたものを運化しないので、体の中に脂肪や水として蓄積されてしまいます

数脈

中医学でいう脈の一つに数脈があります。
数脈と書いて「さくみゃく」と読みます。
見てのとおり、通常より早い脈です。
数脈の原因は中医学では「熱」とされています。
つまり体内に熱がこもっている場合によく数脈が現れます。
例えば風邪をひいた時やアルコールを飲んだ時などです。

この他、中医学の教科書にはあまり記載されていませんが、臨床的には気虚の場合が多くあります。
気虚、特に心気虚があると、心臓のポンプの力が弱くなります。
つまり心臓に余裕が無くなります。
そうすると、心臓が一生懸命働くので、脈拍は多くなります。
ただ、1回に送り出す血液の量は少ないので、血流としては普通です。
おなじ理由で、血虚がある場合も心臓は少ない血を一生懸命流そうとするので数脈になります。
血虚の場合は心臓が空回りしてしまい、動悸がおこる事もあります。

脈の強さ

一番的には、脈が強いのは実で、弱いのは虚となります。
例えば、気虚は脈が弱く、血虚では脈は細くなります。
しかし、例外もあります。
例えば、肺気が不足すると、肺(金)は、肝(木)を抑える事が出来ず、肝木が暴れ出します。
このような場合は弦脈になる事が多いです。
この時、肝気を抑えるものに、肺金を補うものを使う必要があります。
よく使われるのが黄耆を含む製剤です。

柴胡と升麻

中医学的に見ると、体の右半身と左半身では違いがあります。
左は血にかかわりが深い部分で、上から心、肝、腎陰となります。
右は気と水にかかわりが深い部分で、上から肺、脾、腎陽(命門)となります。
左に心臓があるので、血にかかわる部分を左半身に納めたのでしょうか。
この為、肝は実際には右半身にあるのですが、中医学では左に配置されています。
「肝は体(実体)は右にあるけども、その用(働き)は左にある」と、なんだか屁理屈っぽい事を言っています。
気を上に持ち上げる作用のあるものに、柴胡と升麻があります。
柴胡は、少陽(胆)の気を左から持ち上げます。
升麻は、陽明(胃)の気を右から持ち上げます。
ですので、左側の気が上がらない場合は柴胡を右側の気が上がらない場合は升麻を使います。
しかし、実際には右左の区別はつきにくい事が多く、柴胡と升麻は併用される事が殆どです。
でも、柴胡と升麻にはこのような差があるんだよという事は知っておくと良いかも知れません。

いろいろな火

体の中には色々な火があります。
体にとって必要な火もあれば、体に害をなす火もあります。

体に必要な火は、相火と君火に分かれます。
君火は、心の火で、体の中では一番協力で強い火です。
心臓の鼓動のエネルギーになっている他、胃に働き消化を助ける火になっています。

相火は、心以外の臓腑にある火で、どの臓腑にもあります。
ただ、腎の中の火は、真火といい、相火の中でも特に重要視します。
それは、真火は先天の火で、父母からうけついだ火だからです。
腎の火ですから、生殖とも深い関わりがあります。

火は、少しずつ燃えるのが良いとされています。
中医学では「壮火食気、少火正気」という言葉があります。
火が燃えすぎると気を消耗してしまいます。
ちょうど良い強さの火は、気を生み出します。

陳久瘀血

中医学では血の汚れを淤血(おけつ 瘀血)と言います。

瘀血にも程度があります。
血管の中の血液の汚れも瘀血です。
しかし、血管の外にあるものもあります。
例えば、生理の血などは、血管の外の血です。
このような血を「離経の血」と言います。
王清任という人は「離経の血はたとえ色が綺麗でもみな瘀血である」と言っています。
つまり一旦出血してしまった血は汚れであって、綺麗な血とは違い再利用は出来ないという意味です。
今は輸血がありますから、必ずしも離経の血がみな瘀血という訳ではなさそうです。

離経の血で、時間がたって固まってしまったようなものを陳久淤血といいます。
子宮内膜症、チョコレート嚢腫などがその良い例です。
普通の瘀血と陳久淤血では中医学的な治療方法も異なってきます。

いわゆる血液サラサラにするものは血管の中の血を綺麗にします。
血管の外で固まってしまった陳久瘀血には歯が立ちません。
このような場合はよく動物生薬を使います。
例えばヒル、ミミズなどです。

痰湿

中医学では痰湿という言葉があります。
汚れた水、脂、繊維などを意味します。
どちらかというと粘っこいものを痰、さらさらしたものを湿と言います。
喉から出るのも痰の一種ですが、中医学の痰は「体の中にたまった粘っこい汚れ」の意味で、とても広い範囲をさします。
脂肪肝とか、余分な皮下脂肪なども痰の一種と言えます。
湿は余分な水分で、日本の漢方では水毒という言い方もします。
むくみなどが代表的ですが、肺に湿がたまると喘息の原因になる事もあります。

生理の血

生理は西洋医学的には、脱落した子宮内膜と血液です。
では中医学的にはどのように考えるのでしょうか?
不妊症でとても有名な夏桂成先生は次のように言っています。
「私たちは長い間の実践、特に周期療法を行った上での観察で、生理の排泄物は表面上はただの血だが、実際は天癸水様物質と血海内の排除されるべき陳旧物質であるという事を発見した。
だから、前人は色々な書物の中で「経水」と呼び、癸水の重要性を表現している。」

癸は、日本語では「みずのと」で、腎陰を意味します。
生理の時は血と一緒に癸水が出てしまうので、腎陰が不足してしまいます。
ですから、周期療法では生理の後は腎陰を補うものを多く使います。

元気の意味

「お元気ですか?」と何気なく使っていますが、元気の意味はなかなか難しい。
まず気には、正気と邪気があります。
正気は体に必要な気、邪気は病気の原因になる体にとって不必要な気です。
正気には沢山の種類があります。
たとえば、体を守る衛気。
元気も、正気の一つです。
張錫純は「元気は腎に根基し、肝で萌芽し、脾で培養され、胸中の大気に貯蔵され全身に運ばれている」と言っています。

元気は原気とも言います。
元陰と元陽をあわせたもので、父母からもらった先天の気が飲食より栄養される後天気で滋生される。
また原気は「腎に発源し、丹田に蔵し、三焦の道をとおって全身に到達する。五臓六腑など一切の機関組織の活動を推し動かし、生化動力の泉源である」とも言われています。

こうしてみると、ますます訳がわからなくなってしまいます。
ただ、とにかく体にとって必要なものである事は確かです。

右半身と左半身

中医学では、痛みのある場所が右半身なのか左半身なのかによって陰陽を区別します。
例えば、左足が痛い場合は、左は陽に属するので純陽の鹿茸を使います。
右足の痛みの場合は陰に属するため、虎骨などを使います。

また、もう一つの考え方として、左は血、右は水と考えます。
中医学では内臓の配置として、心、肝、腎は左、肺、脾、命門は右と考えます。
左の心、肝は血との関係が深く、右の肺、脾は水との関係が深いものです。

左が腎、右が命門という考えは、難経から出た理論で、この理論とはまた違う理論です。
実際、その後の人たちは命門は両腎の間にあると言っている人もあります。
現代医学的には、腎陽をあらわす命門は副腎の事だという説もあります。
そうすると、左右の腎の中に命門が存在するという事で、両腎の間にあるという説の方が説得力があります。

アスピリンの中医学的な薬理

ちょっと古い文献ですが、中医雑誌の2014年に、アスピリンの中医学的な薬理を研究した論文が掲載されています。
150人の患者さんにアスピリンを使って、どのような中医学的な症状が改善したか調べました。
結果として、
 1.アスピリンは熱証の改善が寒証の改善よりも良い   アスピリンの薬性は寒涼
 2.熱実と虚熱での差はない              アスピリンは虚証にも実証のも使える
 3.陰虚と陽虚とで比べると陰虚の人に効果がある
 4.心の症状の改善に効果が良い            帰経は心
 5.胆の症状にも効果が良い              帰経は心と胆
 6.瘀血に対する効果が良い              活血化瘀
 7.それ以外にも気滞 気虚 気陥にも効果がある
 8.胃腸に対する作用はなく、胃腸の症状は悪化する場合もある

という事が解りました。
基本的には、予想通りでしたが、アスピリン以外でも調べてみると面白いと思います。

下痢の漢方

下痢の場合、漢方は比較的良く効きますが、使い方が大切です。
1.細菌やウイルスによるもの
  いわゆる胃腸風邪とかノロウイルスです。
  この場合、1番良く使うのがかっ香正気散です。
  これだけで対処できない場合はこれに黄連解毒湯、半夏瀉心湯、人参湯などを併用します。
  注意するのは、無理矢理に下痢を止めない事です。
2.腸の蠕動運動によるもの
  中医学的には気の流れの問題です。
  ストレスと関係します。
  お腹の脹りが強い場合は開気丸をよく使います。
  そうでない場合は、桂枝加芍薬湯を使います。
  また腸の中の水分が多い場合は一時時に五苓散も有効です。
3.食滞によるもの
  胃腸の消化能力を超えて飲食した場合です。
  中国では保和丸をよくつかいますが、晶三仙でも良いです。
4.脾虚によるもの
  体質的に胃腸がよわく、慢性的な下痢の場合です。
  健脾散顆粒をよく使います。
5.湿熱によるもの
  腸の中に湿熱という汚れがたまっている場合です。
  便が出てもすっきりしない事が多いです。
  この場合は、漢方は慎重に選ぶ必要があります。
6.冷えによるもの
  一時的にお腹を冷やしておこる下痢です。
  人参湯などをよく使います。

イライラ

イライラの原因は体内で「火」が強くなりすぎている状態と考えます。
主に、心火と肝火があります。
心火は不眠、動悸などを伴います。
そうでない場合は肝火です。
肝は五行では「木」に属します。
生の木は潤いがあり燃えにくいですが、乾燥した木はすぐに燃えます。
ですから、肝火が強い人は木に潤いが無いと考えます。
そこで、肝火を消す作用の漢方だけでなく、肝に潤いを与えるものを使います。
そうしないと、一旦肝火が収まっても、すぐにまたさいねんします。
肝火を消すものとしては「瀉火利湿顆粒」
肝を潤すものとしては「双料杞菊顆粒」などがあります。

血が足りない状態

血が足りない状態を中医学では血虚(けっきょ)と言います。
血が足りないというと、すぐに思いつくのが貧血です。
確かに貧血も血が足りない状態の一つです。
ですが、それ以外にも血が足りない状態があります。
それは血の量の不足です。

貧血は採血して、血液の濃度を測ります。
血液の量は測りません。
これに対して、中医学の血虚は採血はしません。
脈、舌の色、爪の色、生理の色と量、髪の毛などで判断します。
最近では血流計という便利なものがあり、それで測定する事も出来ます。

病院で貧血がないと言われても、血の量が足りなければやはり貧血と同じように問題がおこります。
この点は注意する必要があるでしょう。

漢方の副作用

漢方にも副作用はあると大きな声で言う人があります。
私はこれは正しくないと思います。
勿論、口に入るものですから、アレルギーのようなものはあります。

中医学は効き目を良くする工夫だけでなく、どのようにしたら副作用が出ないか、長い間研究されてきました。
その結果、体質や状態を判断て薬を使う、弁証論治という方法が考え出されました。
ですので、西洋医学の病名だけで薬を選んで弁証論治をしないと、体質にあわない事があります。
それを副作用と決めつけてしまうのは、なんとも漢方が可愛そうです。

卵管の汚れ

卵管が詰まっていると言われた方で、漢方を数ヶ月飲んでつまりがなくなっている事がよくあります。
よく使うのが、活血化瘀と理気化痰の漢方です。
この事から、血液の固まった汚れとか、繊維、脂の汚れが詰まっているのではないかと思います。

胃腸の働き

中医学では胃腸の働きを「脾」と「胃」に分けて考えます。
胃は食べ物を受け取り、それを腸に送ります。

ですから、下におりる働きです。
この働きが悪くなると、食べ物が下におりなくなります。
胃が脹り、けっぷ、胸焼け、便秘などが起こります。
逆流性食道炎などもこのケースです。

脾は、食べ物を吸収して、栄養を上に運びます。
この働きが落ちると、栄養が下に流れ下痢したり、胃下垂になったりします。
気が上がらず、栄養不足でやせて来たり、力が入りません。
下に降ろす胃と、上に昇る脾は明確に区別します。

主に胃に働く漢方が晶三仙、平胃散、健胃顆粒などです。
そして脾に働くのが健脾散、補中益気湯などです。
脾と胃の働きの区別を知っておくと漢方の胃腸薬の使い分けが出来ます。

火鬱発之

中医学ではストレスが溜まった状態を「気滞 きたい」と言います。
つまり気の流れが悪い状態です。
気滞が続くとイライラしてきます。この状態が「火鬱」です。
つまって、化熱してくる訳です。
普通の熱は、清熱といって冷やす漢方を使います。
ただ、火鬱の場合は治療方法が違います。
「火鬱は之を発せよ」という理論で、香りの良いもので発散されます。
ハッカ、紫蘇、パクチー、ネギ、ニラ、バジルなどです。
ベルガモットなど柑橘系のアロマもお勧めです。
清熱薬を使うと、熱はとれても気の流れがもっと悪くなってしまう可能性があるからです。

漢方の風邪薬

葛根湯は風邪薬で有名ですが、どんな風邪でもよい訳ではありません。
1番大切なポイントは「寒気があるか?」です。
次ぎに大切なのが「節々の痛み」です。
この二つがあればまず葛根湯を使って見て下さい。

銀翹解毒散は、あまり有名ではありませんが葛根湯よりも使う機会は多いです。
何となく熱っぽくて、寒気す少し、喉が痛かったり、喉が渇く感じがあります。
このまうな場合はまず銀翹解毒散を使って見て下さい。

胃腸風邪の場合は勝湿顆粒をまず使います。
吐き気、下痢、少し寒気やだるさを伴います。

この3つは常備薬としておいておくと良いでしょう。

中医学の火とは

中医学の概念の中で、気とともに分かり難いのが火。
壮火と少火。壮火はもえ盛る炎で体にとってはよろしくない。
少火は少しずつ燃える火で、体のエネルギー源。
そこで、「壮火は気を消耗し、少火は気を生み出す」という理論があります。

これ以外にも君火、相火、龍雷の火、陰火などがあります。
君火とは、心の火です。
これに対して相火とは腎の火です。
中医の理論では、五臓の中で一番偉いのが「心」です。
なにしろ心には「神」が住んでいます。
だから心は君子の臓、心火は君火なのです。
腎の火は命の蝋燭。
ミトコンドリアのようなものでしょう。
とても大切ですが、心火にはかなわない。
だから相火と言います。

不眠

今くらいの季節、花粉症とともに多いのが不眠症です。

不眠症は春と秋に多くなります。
春と秋は中医学では陰陽交代の時期と考えます。

春は陰が減り陽気が盛んになります。
陽気は覚醒作用があるので寝付きが悪くなります。

秋は夏に盛んになった陽気がなかなか収まらないと不眠になります。

寝る直前の入浴は陽気を助けるので良くありません。
青色の光も興奮作用があります。
寝る前にパソコンやスマホをやるのはよくありません。
寝る前は黄色やオレンジの光が良いでしょう。

五行について

中医学では肝は木に例えます。
真っ直ぐ太陽に向かって伸びていきます。
しかし、折れないように弾力があります。
心は火に例えます。エネルギーがあります。
脾は土です。万物を育む母なる大地です。
肺は金。熱に弱い、叩くと音が出るなどです。
腎は水。これは解りやすいですね。

木が燃えて火がおこります。
火が燃え尽き土になります。
土の中から金属が見つかります。
金属のまわりに水滴がつきます。
この関係を相生関係といい、先程の五臓にあてはめます。
例えば、肝は心の母で、心を助けます。
同様に心は脾、脾は肺、肺は腎を助けます。

木は土を抑えています。
土は水を制します。
水は火を消します。
火は金を溶かします。
金は木を倒します。
これを相克といい、力が強くなりすぎないように制御しています。
肝は脾をコントロールし、脾は腎を、腎は心を、心は肺、肺は肝を制御して、バランスを保っています。

臓と腑では、
肝と胆
心と小腸
脾と胃
肺と大腸
腎と膀胱
が表裏の関係になっています。
肺は免疫と関係してます。
大腸も免疫と関係しています。
小腸も心も第2の脳というくらい精神的な影響をうけます。
脾は気を持ち上げ、胃は気を降ろします。
膀胱の開閉を腎がコントロールします。

肝が強くなりすぎた時、肝を抑えるのですが、肝の性質は伸びやかなのが良いのであまり抑えすぎない方が良いです。
こんな時、心火をおさえます。
そうすると肺が強くなり、肺が肝を抑えてくれます。
その処方が左金丸です。
左は佐で、補佐の意味で、心火を抑えて肺を助けるという意味です

リラックスのツボ

ストレスに良いツボを2つ紹介します。

一つは内関。
手のひらを上に向けて、手首のまん中に薬指の先があたるようにします。
その時、人差し指の先あたりに押して痛い場所があります。
そこが内関です。
イライラした時などにマッサージして下さい。

もう一つは大衝です。
肝気の流れをよくしてくれます。
足の甲で、親指に向かう骨と人差し指に向かう骨が合流している場所の少し前の凹みです。
こちらもイライラする時とかにぜひ試して見て下さい。

舌苔について

舌の表面にある苔を舌苔と言います。
中医学的にはかなり診断の意味があります。
まず、厚さです。
苔が厚ければ厚いほど、汚れ(邪気)が多いと考えます。
反対に苔が全くないのも良くありません。
体に必要なものが足りないと考えます。

苔の色も大切です。
苔の色が白い時は、体が冷えていたり、体を冷やす邪気があると考えます。
苔の色が黄色い時は、体に熱がこもっていたり、湿熱などの邪気があると考えます。

舌が乾いている場合は、熱が、舌がしめつっている場合は冷えている事が多いです。

ただし、舌だけですべてが解るわけではありません。
舌以外の情報とあわせて弁証論治していく事が大切です。

一貫堂医学

日本式の漢方の変わり種として一貫堂医学があります。
人間の体質を3つに分けて治療します。
 臟毒証体質
  内蔵、特に胃腸に毒素がたまりやすい体質。
  太りやすく、生活習慣病になりやすい体質です。
  よく使うのが防風通聖散です。
 解毒証体質
  腺病質に近い体質です。
  リンパの流れに異常が出やすいです。
  リンパは中医学では三焦なので肝との関係が深いです。
  くすぐったがり、肌の色が浅黒い、扁桃腺が腫れやすい、アレルギーになりやすい体質です。
  柴胡清肝湯、荊芥連翹湯、竜胆瀉肝湯などを用います。
 瘀血証
  中医学の瘀血とほぼ同じです。
  一貫堂医学では通導散をよく使っています。

漢方の考え方

よく相談で、「血圧が高いから血圧を下げる漢方が欲しい」とか「飲むだけで痩せる漢方が欲しい」とか「血糖値を下げる漢方が欲しい」「多嚢胞性卵巣に効く漢方が欲しい」と言われる事があります。
ただ、これらはみな何かの原因があって、その結果なのです。
原因を考えないで結果だけを改善する事は出来ません。
中医学では、何故血圧が上がったのかを考えて、それに対して適切な方法を考えていきます。
そうすれば結果は自然に改善されていきます。

脾の働き

脾臓というと、西洋医学では何をしているか良く解らない臓器。
古くなった血液を分解しているくらいの認識です。
貧血などの場合は、脾臓を摘出してしまう事もあります。
それでも命にはかかわらないので、ちょっと大切にされないかも知れません。

中医学では脾は本当に大切な臓器です。
食べたものを消化する働きと考えます。
胃腸は中医学では、食べたものをただ受け取るだけのものです。
それを分解して、体に運ぶのが脾の働きです。
脾は体の中央に位置して、体を養っています。
脾の色は黄色。位置は中央。
黄色というのは、中国では1番高貴な色です。
皇帝は中国では黄帝と言って、いつも黄色い着物を着ています。
また中央に陣取って大地の母の土の性質を持っています。
生成数では、先天の生数に脾の5を足して後天の成数となります。

魂魄

中医学では、人間の能力を次のように定義しています。

魂は陽に属します。
人間の知力の意味です。
魄は人間の本能的な運動や感覚です。

意は初歩の認識
志は経験の積み重ね。やり方。
思はくりかえし考える
慮は経験から未来を予測する
智は上記の過程をふまえ正しく事物を処理する事